ようこそ土壌教育委員会のサイトへ!
土壌は生命と環境を育み,自然や社会環境の中で多面的な役割と機能を果たしています。土壌教育委員会は1982年以来初等中等教育現場における土壌の理解と知恵を育てる教育のあり方について検討してきました。
本サイトでは土壌教育委員会のこれまでの活動および今後の予定などを紹介します。このページを読んでいただいた皆さんは勿論のこと,もっともっと沢山の子供たちや人々が土壌に興味を持つようになることが,私たちの切なる願いです。

土壌教育活動だより 96-3
2025年4月より,土壌教育委員会委員1名が交代しました.新しい委員は,中部支部:村瀬潤氏(名古屋大学)です.
日本土壌肥料学会2025年度新潟大会において,高校生による研究発表会を開催いたします.対面によるポスター発表とオンライン発表のハイブリッド形式での開催を予定しています.対面によるポスター発表は,大会の初日(9月17日)に行う予定です.詳細は決まり次第,土壌教育委員会公式Webサイトに掲載いたします.
会員による土壌教育活動を報告します.谷昌幸氏(帯広畜産大学)は,2月12日にとかちプラザ視聴覚室で開催された十勝農業機械協議会2025年度研修会で,「土の力を引き出す-土の成り立ちと素性を理解する」と題した講演を行い,北海道の農耕地土壌の特徴と肥沃度,土壌診断に基づく土壌改良と施肥管理の方向性などについて解説しました.また,堆肥による土壌改良の効果についても解説しました.参加者は同会会員約70名でした.同氏は2月27日に熊本県菊陽町火の国ファーム圃場,アークホテル熊本城前で開催された九州沖縄土を考える会で,圃場断面調査において土壌改良に係る助言を行うとともに,「土壌の力を引き出すために-土壌の陽イオン交換容量(CECについて-」と題した講演を行い,土壌診断における各数値の意味と読み方、土壌改良の目指すべき方向性などについて解説を行いました.参加者は同会会員約50名でした.同氏は3月6日に十勝川温泉 観月苑で開催された北海道土を考える会十勝支部研修会で「土壌の力を使いこなせ2025-積極的なリン酸減肥に向けて」と題した講演を行い,北海道農業におけるリン酸施肥過剰の現状とリン酸減肥の必要性について解説しました.また、農業生産者から寄せられた約30点の土壌診断票について解説を行い,今後の土壌改良や施肥管理に向けた指針について論議を行いました.参加者は同会会員約40名,農業関係者約30名でした.同氏は3月24日に十勝農協改良普及センター十勝北部支所で開催された士幌町農業士会研修会で「堆肥の種類・特性と堆肥施用による土壌の物理性・化学性への影響」と題した講演を行い,士幌町内で発生する堆肥の性状と肥料効果,堆肥を連用することによる土壌の化学性と物理性の変化などについて解説しました.また,農業生産者から寄せられた約10点の土壌診断票について解説を行い,今後の土壌改良や施肥管理に向けた指針について論議を行いました.参加者は士幌町農業士7名,普及センター職員9名,農協・ホクレン・役場4名でした.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト https://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第96巻第3号 掲載)
2025年度土壌教育委員会
2025年度の土壌教育委員会委員は次の通りです。
名前 | 役職 | 所属 |
---|---|---|
森 圭子 | 委員長 | 埼玉県立 川の博物館 |
藤間 充 | 副委員長 | 山口大学 |
浅野陽樹 | 事務局長 | 鹿児島大学 |
神山和則 | 学会副会長 | |
丹羽勝久 | 北海道支部 | 株式会社 ズコーシャ |
髙本 慧 | 東北支部 | 農研機構 |
中塚博子 | 関東支部 | 東京農業大学 |
村瀬 潤 | 中部支部 | 名古屋大学 |
角野貴信 | 関西支部 | 公立鳥取環境大学 |
赤木 功 | 九州支部 | 鹿児島大学 |
浅野眞希 | 事業協力委員* | 筑波大学 |
豊田 鮎 | 事業協力委員* | 香川大学 |
早川 敦 | 事業協力委員* | 秋田県立大学 |
村野宏達 | 事業協力委員* | 名城大学 |
顧 問 :福田 直(武蔵野学院大学)
顧 問 :平井英明(滋賀大学)
顧 問 :小﨑 隆(愛知大学)
顧 問 :隅田裕明(明治大学)
教育担当理事:藤間 充(副委員長兼任、山口大学)
*教員研修およびその他の普及事業担当
土壌教育活動だより 96-2
日本土壌肥料学会2025年度新潟大会において,高校生による研究発表会を開催いたします.対面によるポスター発表とオンライン発表のハイブリッド形式での開催を予定しています.対面によるポスター発表は,大会の初日(9月17日)に行う予定です.詳細は決まり次第,土壌教育委員会公式Webサイトに掲載いたします.
委員による土壌教育活動を報告します.森委員(埼玉県立川の博物館)は,同博物館において11月14日の埼玉県民の日に合わせた秋まつりイベントの中で,「かわはく周辺の土」をテーマにモノリス5本を展示し,12月8日まで展示を行いました.同委員は同博物館において12月7日には世界土壌デー記念として「土でアート作品づくり」を開催しました.異なる4色の土を使って和紙に絵を描き,パネルに貼って作品として仕上げました.参加者は27名でした.また同委員は出前授業として県立伊奈学園中学校3年生の「自然の中の生物・環境の調査と保全」の授業の一環として、12月18日に,砂と土の試料やモノリスを使って,実際に触る・実物を見る体験を含む土壌の講義を行いました.同委員は同博物館において,春期企画展「麦の国さいたま」を企画し(開催期間:2月8日~5月6日),その中で,埼玉県の大宮台地西縁で行われていた伝統客土農法「ドロツケ」をモノリスとともに紹介しています
会員による土壌教育活動を報告します.谷昌幸氏(帯広畜産大学)が11月26日に帯広畜産大学とよつば乳業との共同リカレント教育「デイリースクールベーシック」において,「土壌と草地の関係~土壌診断に基づく科学的な草地土壌管理」を題した講演を行いました.北海道の草地に分布する土壌の成り立ちや特徴について説明するとともに,とくに草地における生草収量と土壌の養分状態の関係について解説しました.参加者は若手生産者6名,大学・農協職員3名,よつば乳業社員6名でした.また、同氏は1月23日に北海道中小企業家同友会十勝支部で開催された,同友会主催の第3期十勝経営者大学経営学コースにおいて「北海道と十勝の土を知る-土の成り立ちと素性を理解する-」を題した講演を行いました.北海道と十勝地域の土壌の特性や肥沃度の重要性について説明するとともに,十勝地域に分布する黒ボク土の肥沃度と生産性の関係,リン資源の有効利用と十勝農業の持続性などについて解説しました.参加者は同友会会員8名(オンライン5名)でした.石倉究氏(道総研十勝農業試験場)が帯広市農政部主催の十勝地域農業者合同研修会で講演を行いました.1月23日と2月6日に対面・オンラインのハイブリッド形式で開催され,第1回は10名が対面で参加し,オンラインでは64名が参加しました.堆肥による「土づくり」の効果,堆肥や緑肥,作物残渣,スラリー等の有機物の肥料効果について解説しました.また,各種有機物の施用に伴う適正施肥の求め方を講義しました.第2回は11名が対面で参加し,オンラインでは63名が参加しました.有機物施用と土壌微生物の関係,代表的な土壌微生物である硝酸化成菌,根粒菌,アーバスキュラー菌根菌の役割を解説しました.また,土壌微生物活性の指標の一つであるグルコシダーゼ活性について解説し,十勝管内の傾向と有機物施用との関係を講義しました.
本欄では会員の皆様の土壌教育活動も紹介します.情報をお持ちの方は支部選出の土壌教育委員までお知らせください.なお,土壌教育委員会の現在の構成は公式ウェブサイト https://jssspn.jp/edu/ の「委員」をご確認ください.
(日本土壌肥料学雑誌 第96巻第2号 掲載)